African Chair

椅子ってなんだろう?

アフリカの椅子を並べて見てみると、こんなふうに疑問に思うことがあります。座るための道具と言えるものもあれば、神聖なものとして座ることが許されない椅子や、王座の周りを飾る椅子など「座る」ということ以外の役割を与えられたものもあります。誰も座っていないのに椅子そのものの気配を感じさせるような静かな存在感があり、「彫るという作業によって椅子に魂が宿る」というアフリカの人々の考え方に納得させられたりもします。道具か、象徴か。もしくは気配の在り処とも言える不思議な魅力をもったもの。今回はそんなアフリカの椅子をご紹介します。

  1. ナイジェリア、ヌペ族の椅子。座面にはシンプルな幾何学模様が施されています。ヌぺ族にはイスラム教徒が多く、布や木彫品には幾何学模様が使われます。
  2. ガーナ、アシャンティ族による木彫りの椅子。一本の木から彫りだされており、かなり凝った形に彫られています。刻まれた月のような模様も可愛らしく、インテリアにおすすめです。
  3. コートジボワール、バウレ族の椅子。背もたれつきの椅子は持ち主によって大事に使われ、他の人がその椅子を使用する際には持ち主の許可が必要とされたそうです。
  4. カメルーンのバミレケ族の椅子。丸太を彫り出して作られるので座面には年輪が見られ、使い込まれた艶も美しい品です。バミレケ族の椅子は、下部から木をくり抜き、側面にさまざまなモチーフの彫刻を施します。


    アフリカの様々な地域から集められた美しい椅子の形は、バリエーション豊かで、見飽きることがありません。